2001.6.20

こどもの夏風邪について

今年も夏風邪が流行り始めました。

こどもの夏風邪は代表的なものにヘルパンギーナ、手足口病、プール熱などがあります。

今回はヘルパンギーナについてお話します。

ヘルパンギーナはのどの奥に小さな水ぶくれができてのどが痛くなるので、食べられなくなったり、38〜40℃の高熱が2〜3日続く病気です。のどの痛みが強いと水分も欲しがらなくなるので脱水症になることもあります。

お薬はこれといった特効薬はなく、のどの粘膜の腫れを抑えるトランサミンやレフトーゼ、ダーゼンといった消炎剤が使われます。熱やのどの痛みに対してはカロナール(アセトアミノフェン)やブルフェン(イブプロフェン)が多く使われますが、熱に対してはあまり積極的にお薬を使って熱を下げないほうがかえって早く良くなるケースが多いようです。ただ、どうしてものどの強い痛みを伴いますのでそんなときはお薬を飲んで痛みのやわらいだ時に水分などを充分に補給するよう、そんなお薬の使い方がベストです。

必要に応じてイソジンガーグルといったうがい薬やSPトローチ明治など、口の中やのどの殺菌消毒薬が処方されることもありますがうがいやトローチはその使い方が理解できる子供さんでないと使用できません。イソジンガーグルなどでうがいをして飲み込んでしまうようならまずは水だけでうがいを練習し、じょうずにできるようになってからお薬を使ってうがいしましょう。

とにかく体力があれば4〜5日くらいの間に軽快していきますが、それも十分な水分と栄養が摂れていてこそのこと。口の中やのどが痛い時はかまずに飲みこめるようなりんごのすりおろし、アイスクリーム、プリン、ゼリー、豆腐、おじや、グラタンなどがおすすめです。水分もポカリスエット、アクアサーナなどのイオン飲料や牛乳、麦茶、味噌汁、スープ類など充分に与えてあげてください。オレンジジュースなどの酸味のある飲み物はしみることもありますので注意してください。

食欲もあり、水分も充分に摂れ、おしっこも出ていればあまり心配ないと思います。口の中やのどの痛みが強く水分を摂れない時や高熱が3日以上続いている時や元気がなくぐったりしているときは医師の診察を受けてその指示に従ってください。点滴などで治療することもありますので。

お風呂に関しては、高熱でぐったりしている時以外OKです。ただし、体力を消耗するような長湯は禁物です。サッと汗を流す程度にして下さい。あせもの予防にもなりますから。もちろん主治医がお風呂はダメと言っている時はその指示に従ってください。

こどもの夏風邪はこのあと手足口病やプール熱などで相次いでひいてしまうことも多いです。外出後の手洗いやうがいは冬のインフルエンザの時のものだけではありません。しっかりと手洗いうがいをしましょう。

次回は手足口病についてお話しましょう。

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